国際交流基金主催 中国「ふれあいの場」大学生交流事業(2025年度)活動報告
北九州市立大学 比較文化学科3年
国際関係学科3年
私たちは令和7年度第1回中国「ふれあいの場」大学生交流事業に参加しました。この事業は、国際交流基金(JF)が主催する日本と中国の大学生による文化交流プロジェクトで、「ふれあいの場」(中国現地の施設)に日本の大学生が訪問し、対日理解・交流や持続的な関係構築を主な目的としています。私たちは計6名の日本人大学生グループ「Wisterina」のメンバーとして、中国山東省済南にある山東師範大学の大学生と交流し、現地で日本文化イベントを実施しました。主な活動内容は以下の通りです。
企画立案、選考(5,6月)
事前交流、対面交流・日本文化イベントの準備(7,8月)
渡航、文化交流イベント実施(9月)
〈事前交流〉
対面交流に向けて、渡航前に中国の大学生と信頼関係を築くため、オンライン交流を実施しました。リアルな日本の流行や日本の中にある中国文化についてクイズ形式で紹介しました、また、中国の学生からも故郷の紹介をしてもらい、少しずつ相手のことを知る時間となりました。オンラインのため、うまく言葉が伝わらなかったり、会話が繋がらなかったりすることもありましたが、その度にグループで改善策を考え工夫して円滑なコミュニケーションを目指しました。Wisterinaの絆が深まった期間でもありました。また、対面交流時の文化イベントについて日中の大学生が積極的に意見を交換し合う中で、互いのことを少しずつ近く感じるようになり、みんなでイベントを成功させたいという想いが強くなりました。

〈渡航期間〉
約1週間の渡航期間では、主に日中文化交流イベント、日本語授業アシスタント、済南フィールドワークを行いました。日本にはない中国ならではの大規模な敷地を持つ山東師範大学にある済南ふれあいの場で活動しました。
中国文化体験では、中国の伝統菓子や切り絵など、普段はあまり触れる機会の少ない中国の伝統文化について学び、体験することができました。
メインイベントである日本文化体験イベントは、衣食住でひらく日中の扉というテーマで開催しました。衣食住の三つの分野から日中の文化を見つめなおし、相違点を再発見し合い互いの理解と親しみを深めることを目指しました。衣ブースでは藍染体験を行いました。日本の伝統技法である藍染を通して、日本の美を体験してもらいました。現地の学生からも好評で、翌日には自分でつくった手ぬぐいを鞄につけていた学生もいるほどでした。食ブースでは、みたらし団子作りと茶道体験を行いました。茶道体験はとても人気で、楽しく日本らしさを伝えられたと思います。みたらし団子の味に驚いていた学生が多く、意外な一面も知ることができました。日中が共通してもつ月に関する行事(お月見と中秋節)についての文化の違いクイズも作成し、互いを近く感じるとともに理解が深まる時間となりました。住ブースでは、日本の夏を再現した空間を提供しました。北九州のシンボルである皿倉山の夜景と月の映像や打ち上げ花火をスクリーンに映しだし、茣蓙や線香花火、風鈴を用意して、日本の夏を肌で感じてもらえるように設計しました。当日はフォトブースとして喜んでもらうことができました。

日本語授業アシスタントとしても活動しました。山東師範大学日本語学科の授業にて、日本の文化や流行をクイズ形式で紹介しました。九州地方の方言を取り上げて、ロールプレイを行いました。学生の皆さんが普段あまり触れないであろう日本のローカルな一面を伝えられ、より深い対日理解につながったと思います。
最終日には、山東師範大学の学生、先生方とともに済南市のフィールドワークを実施し、千仏山や山東省博物館、泉城広場の三か所を訪れました。豊かな自然と歴史を感じる名所に訪れ、山東省や済南について交流だけでは学べない視点から理解を深められましたし、何よりこの地に親しみを感じました。伝統的な山東料理をいただき、マナーも学びながら楽しく現地の学生と交流することができました。
渡航期間中は現地の中国人学生に何度も助けられました。私たちの送迎をはじめ、食事や移動時間中も常に私たちのことを気にかけてくださり、愛情と思いやりにあふれる時間にしてくださいました。とくにイベントでは実施方法や内容に積極的に意見を出しつつ私たちの要望も一緒にかなえられるように全員が同じ気持ちで協力してくださいました。最終日には皆涙しながら別れを惜しみました。短期間でここまで深い絆を築けたのは、中国の大学生の私たちを快く迎えてくれて支えてくれた姿勢があったからこそだと感じています。

〈活動を終えて〉
今回の事業に参加して、国際交流の意義を学びました。国際交流は、異なる背景をもった人同士が互いの姿を自分の目で見て知って理解できるように促すものであり、それは確かに信頼関係構築の一助となって、同じ世界に生きる人間として支え合うことを可能にすると感じました。また、自国の文化への理解を深める大きなきっかけにもなりました。日本の文化を紹介しようとすると、程度は違えどいつも日本への理解の乏しさを感じました。日本をいろんな視点から見て理解し、日本人として誇りをもって堂々と世界中の人々と対話していける人材になりたいと思いました。この事業を通して、文化交流を超えた多くの学びや繋がりを得ることができ、オンライン交流からの約3ヶ月間は私たちの宝物ものになりました。これからも結んだ絆を大切にしながら、より多くの人にこの輪を広げる努力をしていきたいと思います。

