2024年6月1日(土)、北九州市立大学にて、九州産業大学商学部・船岡ゼミと北九州市立大学のゼミ(久多里ゼミ、姚ゼミ)による合同ゼミ中間発表会が開催されました。本発表会のテーマは「Fukuoka PRO Market(FPM)の活性化に向けて 〜Season 2〜」となっております。各ゼミがこれまでの研究成果を発表するとともに、実務家ゲストによる貴重なお話も伺いました。
豪華ゲストによる講演
当日は、以下の3名の来賓を迎え、それぞれの視点からFPMの現状や課題、将来への提言がありました。
•福岡証券取引所 常務執行役営業部長 加來英彦 様

Pro Marketでの上場を選択する企業は、資金調達よりも知名度や信用度の向上、優秀な人材の確保、そして次の市場へのステップアップことを念頭に置いています。福証のQ-Boardは東証グロースよりも形式基準が緩やかであることと、上場前・上場後の支援が充実していることで、FPMはTPMとの差別化を図れると指摘されました。
•フィリップ証券 取締役常務執行役員 投資銀行本部長 脇本源一 様

Pro Marketの台頭により上場のルートがさらに豊富となり、「上場=東証グロース」という一択主義を見直すべきという問題提起がなされ、名証や福証といった地域市場の価値にも注目が集まりました。今後、東証の上場基準が厳しくなることから、地域市場にとっては大きなチャンスとも言えるとのことです。
•テクロ株式会社 代表取締役社長 天野央登 様

「良い祖先とは?」という問いかけとともに、書籍『グッド・アンセスター』を紹介してくださいました。上場には莫大な費用(億単位)と長期間(2年半〜3年)の準備期間が必要であること、特に人材面での負担が大きいことを強調されました。創業のきっかけや経験談などを共有していただき、失敗は恐れることなし、挑戦は早いうちになど貴重なアドバイスもいただきました。
学生による中間発表
参加各ゼミからは、FPMの活性化に向けた創意あふれる提案がなされました。以下に主要な発表内容を紹介します。
久多里ゼミ
•第一発表:「九州の上場企業を増やす」ため、F-Adviserとしての九州の銀行活用や九州本社の企業への支援を提案。

•第二発表:上場モチベーション向上のため、「期待の星」表彰制度や地元密着イベントを提案。SNS利用に関しては、ターゲット層の年齢を踏まえた慎重なアプローチが必要との指摘を受けました。

姚ゼミ
•「ハリボー」「AAA」:SNSを通じた経営者向けの広報の実施、地域企業の上場制度促進を提案。対象者の明確化や年齢層への配慮が必要との指摘がありました。


船岡ゼミ(九州産業大学)
•C班:IPO挑戦隊支援期間の1年→3年への延長を提案。入会時の企業規模や意欲の確認が必要であると指摘を受けました。
•D班:「short動画によるFPM認知度向上」を提案。上場前後のSNS活用を支援項目に含めることも提言。
•B班:M&Aセンターに注目したIPOセミナーの実施、FPM活用の上場ルート開発、IPO挑戦隊の選考基準の見直しを提案。
•A班:F-Adviserの多様化、IPO挑戦隊とF-Adviserのマッチングイベント開催、SNSによる活性化案を提示。
最後に、来賓の方々から1グループずつ、優秀発表として表彰されました。発表の切り口や実現可能性、地域性への着目などが評価されました。
参加しての感想
参加した北九大生からは
北九大と九産大のどちらの発表も様々な着眼点があり、勉強になると思いました。また、これからの証券市場や、実際の上場について、ゲストの貴重なお話を聞くことができました。 自分の発表については、ゲストからの指摘を受けて認識を改めた部分もあり、改善点が多く残されています。最終発表では改善すべき点をしっかり改善し、ブラッシュアップしたいと考えます。 今回の合同ゼミは自分の成長に繋がるいい機会でした。
との感想をもらいました。
最後に
今回の中間発表は、7/26の最終発表に向けた発表会でした。今回の中間発表で得られたご指摘の箇所を改善して、最終発表に臨みたいと思います。みんなの最終発表が楽しみです♪