こんにちは!! 廣川ゼミの学生(直方班)です!
私たちは「持続可能な地域づくり」について、イギリスで発祥した”フットパス”を用いながら、みんなで調査・研究・活動をしています。
もし、「廣川ゼミって何?」「どんな事をしよるん?」「そもそも直方班ってなん?」
と思った方は、
こちらのリンクより廣川ゼミの紹介の記事を是非ご覧ください。
今回は、熊本県美里町で行われたフットパス大学についてご紹介いたします。
今回は、廣川ゼミの2〜3年生と地域創生学群の他ゼミと一緒にフットパスリーダーの資格を取得しに行ってまいりました!!
いきなり、『フットパス大学』『フットパス検定』というワードを聞いて分からない方もいると思うので簡単にご説明いたします。
では、まず私たちが行なっている『フットパス』というものは、一体なんでしょうか?
フットパスというのは、この記事の冒頭にも書いた様にイギリス発祥の制度です。
但し、「イギリスでのフットパス」と「日本でのフットパス」には違いがあります。
それを理解していただく為に、フットパスがイギリスで生まれた経緯をご説明いたします。
時は1800年代、大英帝国では産業革命が起こってさまざまな分野が急速に発展していきました。そんな中で、イギリス国内では『囲い込み政策』と言うものが発令されてました。
この『囲い込み政策』により、それまで自由に通ることが許されていた地域の方々の共有地などにも立ち入りの制限がかかり、自由に散歩をすることができなくなってしまったのです。
日頃から歩いて自然を楽しむことが好きだったイギリス人は、
『散歩を自由にしたい!!』『みんなの土地へ自由に入る権利が欲しい!!』と
声を挙げて、土地への通行権を求めて運動を開始したのでした。
その結果、1932年に「歩く権利法」と言うものが法律で正式に制定されて『誰でも自由に私有地であっても歩く』ことができる様になりました!!
つまり、フットパスはイギリスにおいて、『フットパスとして国に指定された道ならそれが私有地や公共の場所でも誰もが自由に歩くことができる公共的な公衆用歩道』と言う位置付けがなされているのです。
では、日本におけるフットパスはイギリスと何が違うのでしょうか?
勿論、日本ではイギリスのように国が定めるフットパスが存在するわけではありません。その為、各地域で『歩いて楽しい道』探しを行って、尚且つその道が『通って良い道なのか』、『安全に歩けるのか』などを考慮した上で自分たちでフットパスコースを作る必要があります。
このイギリスとは違う日本独自のフットパスを編み出し、日本においてフットパスを爆発的に広げた要素の一つでもある「美里式フットパス」を作ったのが、今回私たちが訪れた熊本県下益城郡美里町なのです。
日本全国には約580本ものフットパスコースが設定されていますが、熊本県の設定コースの数は120コースとなっています。
この数は、1位の北海道の180コースに次いで全国で2番目の数となっているのです。
この理由として、美里町の活躍があります。
美里町では、地域内の各種団体との連携によってフットパスづくりが美里町全体の取り組みとして始まったかことなどの『美里フットパス』の立役者たちが県内にフットパスづくりのアドバイザーとして普及活動に積極的に関わった為、熊本県は全国でも第2位のフットパスコースを有しているのです!!
そして、この美里フットパスの方々が中心となって、フットパスネットワーク九州(FNQ)という地域ネットワーク団体を立ち上げました。そのFNQの事業の一つが、フットパスづくりに携わる人材の育成事業を行う『フットパス大学』という取り組みです!
今回のフットパス大学には、私たち北九州市立大学生を始め、熊本県の芦北や遠いところでは、東京の大学からこのフットパス大学へ参加した方もいらっしゃいました!
このフットパス大学の講座を全課程終了することによって「フットパスリーダー」と言う資格を得ることができます!
フットパスリーダーの資格を得ると、資格取得者が各地域でフットパスづくりの説明会や活動を行えば、その地域は公式なフットパスづくりがなされている地域として『フットパスコースの質保証』ができるのです!
フットパス大学自体は、1泊2日の日程で行われ、1日目は座学を中心に6時間程度の講義を受講して「フットパスとは何か?」「具体的な作り方は?」といったことを理論的に学びました!
2日目には、実習として、実際に現地調査を行いました。4〜5人のグループを作り、美里の町へ出て自分たちでテーマに沿ったフットパスコースを考えてグループごとで提案するといったプログラムを行いました!!
そうして、全過程を修了して廣川ゼミ生を始め今回のフットパス大学の参加者の全員が、フットパスリーダーの資格を取ることができました!!
今回のテーマは、『暑い時期でも歩けるフットパスコース』でした!!
実際に講師の方からのアドバイスを元に自分たちで考えて地図を見て、歩きながら地域の方と触れ合いながグループ毎にそれぞれ特徴のあるコースを発表できました!
今回、特に講義の中で印象深かったのは、
『フットパスリーダーと言うのは決して目立ってはダメである!』
と言う教えが印象に残りました。
どうしても、フットパスを作る際に資格を持っていると「地域の方々にフットパスの良さを教えて、地域の魅力を再発見して貰おう」と意気込んでしまいがちです。
しかし、地域の本当の良さを知っているのは、いきなり来て講座に来たフットパスリーダーではなく、昔からそこで暮らしている地域の方々なのです。
だからこそ、資格を持ったフットパスリーダーは地域の方がフットパスコースを作るお手伝いをする様に陰から支える存在、『歌舞伎で言う黒衣(くろご)』のような存在になることが大切であるという教えがとても新鮮で大切にしていこうと思いました。
日本において、フットパスコースを作り、活動する為には土地の所有者や地域住民からの理解を必ず得る必要があります。
フットパスリーダーは地域で活動を続けつつ、フットパスに対する地域の方々からの理解を得るための方法や魅力的なフットパスコースとするための工夫を身につけ、地域を歩いて楽しむ方法を支える黒衣として、これからも頑張っていこうと強く思いました。
今後もフットパスに関する記事を多く挙げていきますので、今後もどうか楽しみにされてくださいね!